第22回(2004.3.6更新)

人気漫画実写映画化シリーズ<その1>
「谷岡ヤスジのメッタメタガキ道講座」 映画版

1970年4月より「少年マガジン」誌上に連載され「アサ〜ッ!」「鼻血ブー」「オラオラオラ」「ワリャ しまいにゃ血みるド!」など数々の流行語を生んだ天才漫画家「谷岡ヤスジのメッタメタガキ道講座」。
その常識を打ち破った斬新なタッチと革新的な台詞回し、過激でナンセンスな中にも社会風刺の効いた内容は、当時、ほぼ同時に連載を開始した他の競作ギャグ漫画をアッという間に凌駕してしまった。

そして、絶大なるブームの中、翌1971年3月、日活により実写映画化されたものがこの映画版だ。
あの過激な漫画を実写映画化してしまおうと企画する事自体、すでにキワモノの匂いがプンプンしているわけだが、ムジ鳥の絶叫や包丁脳天刺し、ハフハフ乳吸い、鼻血ブーなどの漫画の世界を臆面無く見事にそのまんま実写映像化。かなり悪趣味ではあるが、強烈な印象を残す異様な迫力に満ちあふれた作品となった。
「どした、どした」「なんだ、なんだ」と誇張した馬鹿っぽい台詞回し、原色を多く使ったセットなどもキワモノ度が高い。
とにかくそのくだらなさと危なさは超一級モノ。谷岡ヤスジの漫画にアレルギーのない方、かなりいっちゃてる映画を見たい方には超おすすめの怪作である。
あっ、間違えても子供向きの作品と思い、お茶の間の団欒では見ないように…。お茶の間は一瞬で凍りつきます。

 
 
1971年当時の日活はドル箱だった青春・アクション映画路線も下火になり、映画産業全体の不振も重なり、かなりの経営難に陥っていた。その為、なりふり構わずに新しい企画を模索していた時期であった。
その結果が、この年の11月からスタートする、あの「にっかつロマンポルノ」路線であったわけだが、本作が、前年(1970年)製作の「ハレンチ学園」よりも、よりポルノチックな内容となったのも、後の「にっかつロマンポルノ」路線確立への試行であったと推測される。
ちなみに「にっかつロマンポルノ」には森田芳光、中原俊、周防正行など、現在活躍している有名な監督のあなどれない作品も数多い…。

監督は江崎実生。オラ山ダメ次は三波伸介。一般公募から選ばれたオラ山ガキ夫役の松原和仁は本当に台詞の意味がわかってしゃべっているのだろうか?と、心配になってしまう程の演技をみせるが、他にも宍戸錠、笑福亭仁鶴、悠木千帆(樹木希林)、宮尾すすむ、カルーセル麻紀、南利明、前田武彦、郷英治といった70年代の壮々たるメンバーが出演している。
特に「ムジ鳥」を完璧に演じ切った宍戸錠の役者魂には頭が下がる思いだ。
ラスト近くには、後に台湾に渡り、空とぶギロチンとも対決しワールドワイドに活躍する事となる国際的スター(?)別名「勝新太郎ソックリショー」の酒巻輝男も登場!これも見逃せない。
また、オラ山ガキ夫の取り巻きのひとり、どこかで見た顔だと思っていたら、元ずうとるびの今村良樹だった。
谷岡ヤスジ大先生が劇中のテレビ画面の中で熱唄する主題歌「ヤスジのオラオラ節」を聞くだけでも大満足。見終わった後に思わず口ずさんでしまう「ヤスジのオラオラ節」、見事だ!

 
 


この実写映画版は1989年7月10日、ビデオではリリース済みであったが、レンタルビデオショップでも、ほとんど見かける事のない幻の作品のひとつとして、ファンの間で語られていた(と思う…)。
そしてこの度、2004年2月27日にめでたく初ディスク化の運びとなったわけだが、その初回版DVDボックスは、題して「アサに近〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜いNIGHTMARE BOXXX」。
特典プロデュース&パッケージデザインは宇川直宏。初回版には特製キャラメルケース、歌詞ヴァ−ジョン違いの2曲を完全収録した「ヤスジのオラオラ節」復刻版CD、宇川直宏厳選谷岡ヤスジ作品集(約100ページ)が付く。
そして、指先でつまんで思わず匂いを嗅いでしまったDVD史上もっとも危険で怪しい特典「鼻血付きティッシュ」も封入。
※ティッシュボックスをモチーフにしたトイレの落書きチックなリバーシブル中ジャケットの裏面(裏面の方が正規ジャケット?)には、¥3990という記載もあるので廉価版もそのうち発売されるようだ。

惜しくも1999年6月14日、56歳という若さでお亡くなりになった谷岡ヤスジ先生の為にも爆発的にこのDVDが売れることを祈り、アメリカでヒットしたといわれているアニメ映画「ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!」もDVDリリースされる事を期待いたしましょう。

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