●ACTION & SUSPENSE アクション・サスペンス
 
盲(めくら)坊主 対 空飛ぶギロチン
●国内盤DVD 2010年9月24日
ドラゴンフィルム/日本メディアサプライ
<DF-004>
・北京語音声/日本語字幕収録(ON・OFF可)
・本編テレビサイズ89分11秒版
※ジャケット表記92分だが、PALマスターを使用している為、収録時間が短い。
・メニューチャプター付 ピクチャーディスク仕様
・初回封入特典:ドラゴントレーディングカード
※ヒロインメディア小野ひずるオリジナルプロモーションカード2枚封入

「盲侠・血滴子」(座頭市対空飛ぶギロチン)」が奇跡の国内盤DVDリリース。
座頭市ではマズイだろうという事で、邦題は「盲(めくら)坊主対空飛ぶギロチン」。
(こっちでもそれ以上に危ないと思うが…)

ドラゴンフィルムというメーカーよりリリースされたものだが、基本的には下記台湾盤DVD(MBDVD1059)と同じマスターに日本語字幕を付加したもの。よって画質はVHS3倍モードより以下レベルのボケボケだが、日本語字幕収録がありがたい。

基本的なストーリー展開は、下記日本語字幕無しで視聴した際の理解とほぼ同じだったが、日本語字幕により、新たに理解できた事があった。
ニセ座頭市(※以降"盲坊主"と表記)の名前はフェイ。自害した兄の名はウー。一応主役の武侠家はチュウ。武勲をあげるためチュウを付け狙う黒装束の男(陳鴻烈=チェン・ホンリエ)は、黒旋風タンロン。
そして、盲坊主が生まれ育った中国を離れた理由は、兄に嫉妬し家を飛び出し、鍛冶屋として働いていた5年前のとある日、日本の海賊にさらわれて連れ去られてしまったという事だった。
また、"我々の邪魔になるからやつを生かしておくな"と誰からかに指令を受けているようなのだが、空飛ぶギロチンを操る男が盲坊主の命を狙う理由は、日本語字幕がついても、結局、謎のままだった。

“座頭市”の未公開作品が初登場!?
玉緒もビックリのニセ座頭市が「空飛ぶギロチン」を相手に大活躍!


遊び心なのか、なりふりかまわずなのか、まるで東スポの見出しのような宣伝コピーだが、画質うんぬんではなく、絶対日本では日の目をみないようなこういうZ級作品をゲリラ的にリリースしているドラゴンフィルム。
果たして採算がとれるのだろうか?その行く末が気になる。
結構プレミアがついたりして… っないか 
(2010.11.28)

1977年 台湾作品
英語別題名:THE BLIND SWORDSMAN'S REVENGE
製作/葉銀漢
監督/屠忠訓
脚本/林俊雄・屠忠訓
主演/勝新太郎(ソックリショー)
陳鴻烈(チェン・ホンリエ)、陳佩伶
音楽/王居仁
武術指導/黄龍・陳世偉
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●盲侠・血滴子(座頭市対空飛ぶギロチン)
A SWORD RENOUNCED
香港盤DVD 2004年6月
Maga Base Technology Ltd.<MBDVD1059>
・広東語・北京語二カ国語音声
・中文(繁体)・中文(簡体)字幕収録
・テレビサイズ92分版
・コードフリー
・メニューチャプター付
・ピクチャーディスク仕様

※ジャケット裏にはNTSC方式と記載があるが、実際にはPAL方式。(かなりいい加減…)

2004年2月14日(土)テレビ朝日系「ビートたけしの!こんなはずでは!!」/2時間拡大版映画スペシャルでも紹介され、一躍知名度がアップしたが、座頭市ファンには古くからその存在が噂されていた作品「盲侠・血滴子(座頭市対空飛ぶギロチン)」。

座頭市に扮するは、「勝新太郎ソックリショー」の酒巻輝男(別名:勝利太郎、または香港での芸名は勝龍)。(酒巻輝男他出演作はこちら→)
日本で剣を学び、清朝(中国)へ戻ってきた盲目の玉輝という人物設定らしく、姿・形はまったくの座頭市だが座頭市ではない。(※以降“ニセ座頭市”と表記)
日本から戻り、兄の元を訪ねたニセ座頭市は、兄が果し合いに敗れ殺された事を聞く。
実は、兄は果し合いに敗れ自害したのだが斬殺されたものと誤解し、仇を討とうと果し合いの相手である武侠家を探しはじめる。(このあたりが英語別題名THE BLIND SWORDSMAN'S REVENGEの由来。)

一方、ニセ座頭市の兄に勝利した武侠家は、戦いの厳しさと命のはかなさに剣を折り、自害し果てたニセ座頭市の兄の残された妻子を見守りながら、生きようとする。
さらに、武勲をあげる為か、その武侠家を狙うもう一人の男(※ジャケットに写っている黒装束の男、「大酔侠」の悪役“玉面虎”の陳鴻烈=チェン・ホンリエ)と、ニセ座頭市を何故か付け狙う空飛ぶギロチンを操る男がからんでドラマは展開していく。(何故、空飛ぶギロチンを操る男がニセ座頭市の命を狙うのかが、よくわからない…)。

編集が粗っぽく、シーンごとのつながりがわかりにくい。また、本来の画面サイズと思われるシネスコサイズの左右をそのまま切ってテレビサイズにしているため、見にくいシーンも多い。
特に、ニセ座頭市がサイコロ賭博で六のぞろ目以上をだす為に、サイコロを真っ二つに切りサイコロを増やしてしまうというお約束のシーンなどでは、最後の増やしたサイコロのショットが画面から半分消えてしまっているので、何が起きたのかわからない。

しかし、それぞれのキャラにちゃんと見せ場があり、武侠家と、自らが討ち負かしたニセ座頭市の兄の妻子との切ないエピソードなども描かれる展開は起伏に富んでいる。
酒巻輝男扮するニセ座頭市の殺陣も見所。腰がすわっていないという欠点はあるが、やたら素早いその動きは、ワイヤーアクションを得意とする台湾・香港映画の殺陣にマッチしていて、単なるパロディを超えた究極の形態模写として楽しめる。
小道具を巧みに使った空とぶギロチンとの戦い、折れた剣を使い、どこか「獨臂刀」っぽい雰囲気を漂わせている武侠家同士の戦いもそれなりに見応えがある。
また、「片腕ドラゴン」で、悪の武館、鉄鉤の館長を演じた田野(ティエン・イェー)。「片腕カンフー対空とぶギロチン」で、三省武術大会を主催する鷹爪武館のウー館長を演じた余松照(チュイ・チュンヘイ)の姿が見られるのも楽しい。

勝プロや大映(角川映画)の許可などは当然とっていないであろうが、その胡散臭さと怪しさ度は満点五つ星。
残念ながら、画質はVHS並かそれ以下のレベルでVHSテープに見られるような帯状のノイズも派手にでまくるが、座頭市ファンならずとも是非コレクションしておきたい珍品盤といえよう。 (2004.7.15)


片腕カンフー対空とぶギロチンはこちら→

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血を吸うカメラ / PEEPING TOM
血を吸うカメラ/PEEPING TOM 国内盤DVD
※国内初盤DVD
スティングレイ 通販限定リリース
2003年6月21日<STDF-0002>

製作・監督マイケル・パウエル、主演カール・ベーム。「血を吸うカメラ」PEEPING TOM。
国内ではキングビデオよりビデオリリース済みだが、LD未発売のまま、ようやくDVDリリース。

1960年作品で、同じく異常心理を題材としたヒッチコックの「サイコ」と同時期に公開されたが、映画業界ではタブーとされるような題材を扱った為か酷評され、監督のマイケル・パウエルは、この作品後映画界から干される事となる。
しかし一方、そのマニアックな内容からカルトムービー化され、米国ではかのボイジャー社よりクライテリオンLDがリリースされる程の人気を得、近年ではサイコスリラーの原点ともいわれるまでになった。

殺される恐怖に歪む女性の顔を撮影する為、自ら殺人を繰り返す主人公マーク。また、顔に傷のある女性にも異様な好奇心をしめす様は、今こそ怖い。
心理学者の父親に、幼少時からずっと恐怖に対する反応の実験台にされてきた事が、マークの心を大きく歪ませてしまった事が原因という一応の動機は説明されるが、この事には、それほどの説得力はない。
それよりも人間の根本にある覗き見的、怖いもの見たさ的な欲求を、異常心理犯罪と結びつけたリアルさの方が恐ろしく感じる。ある意味、映画の中の事と割り切れもする「サイコ」の突き放したような異常心理描写とはまた違う、現実感のある恐怖だ。
「記録して残すという映画の特性に憑かれた男の狂気を描いた作品」だから、ツボにはまった映画ファンの間でカルト化している、という事ではないだろうか…。

実際にマーケットになっているらしいスナッフ・フィルム(殺人映画)を題材にした1999年作品「8mm.」などを見ても、この倒錯した世界の現実感は明らかである。

本作や「サイコ」はもとより、2003年5月21日にひっそりと国内盤DVDがリリースされたウィリアム・ワイラー監督の「コレクタ−」。さらには「THE VANISHING/ザ・バニシング 消失(失踪)」「セブン」「羊たちの沈黙」などといった人間のダークサイドを映像化したこれらの作品から教訓として学ぶべき事は多い。

特典映像としてオリジナル劇場予告篇収録。チャプター付。1961年日本公開時の復刻プレス(縮刷版)封入。

原題のピーピング・トムとは、ゴディヴァ夫人の裸を覗き見し、目が潰れたとされる仕立屋の伝説からきている覗き魔の通称。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でも、過去に戻ったマーティが、双眼鏡を持って木に登っている父親に、「ピーピング・トム…」とつぶやくシーンなどで聞く事ができる。(2003.7.22)


<DVD封入特典>
1961年日本公開時の復刻プレス
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THE VANISHING 消失(失踪)
ザ・バニシング 消失
国内盤DVD
2000年1月25日 IVC<IVCF-160>
スタッフ・キャスト紹介/シーンチャプター付/日本語字幕ON・OFF選択不可。多少左右をカットしたスタンダードサイズ収録(クライテリオン盤DVDよりも天地の映像情報量が多い)。画像は悪いが日本語字幕付はありがたい。
THE VANISHING
クライテリオン盤DVD
2001年9月18日 ボイジャー社<133>
コード1/チャプター・英語字幕・オリジナル予告編収録。
オリジナルサイズは天地黒マスクがほとんど見えないヨーロッパビスタ1×1.66と思われるが、天地カットのビスタサイズスクイーズにて収録。画像は国内盤DVDと比べて格段にきれい。まるで別の映画を見ているようだ。

1988年 オランダ=フランス作品・102分 監督/脚本/製作 ジョルジュ・シュルイツァ
原作/脚本 ティム・クラッベ  撮影/トニー・クーン 音楽/ヘンリー・ヴリエンティン 出演/ベルナール・ピエール・ドナデュー ジェーネ・ベルフォーツ ヨハンナ・テーア・スティーゲ グウェン・エックハウス

自発的な家出を含め、事件・事故に巻き込まれて突然姿を消してしまう行方不明者数は、米国では年間約80万人から90万人、日本では年間約9万人に上るという。
そんな突然の失踪という現代の恐怖を描いたサイコサスペンス作品「THE VANISHING」。


旅行中のドライブインで冷たい飲み物を買いに行ったまま忽然と消えてしまった恋人サスキア。
一体、彼女に何が起こったのか?恋人の突然の失踪にとまどい、恐怖に震えるレックス…。

それから3年後、新しい恋人ができた今でも彼女を捜し続けるレックスの前に一人の男が姿を現し、そんなに彼女がどうなったのか知りたければこの睡眠薬入りコーヒーを飲み干せ、彼女に起こった事を追体験させてやろう、と持ちかけてきたのだった。
妄想にふけ、それを行動する狂気を淡々と語る男。何の変哲も無い会話から逆に浮かび上がる異常心理。危険を感じつつもレックスはサスキアの失踪により止まってしまった時間を取り戻すために、後戻りできない決意をするのだった…。

各所に張られたラストの暗示、耳に残るけだるい音楽も効果的。巻き込まれ型サスペンスの巨匠ヒッチコックやジョナサン・モストゥ監督の「ブレーキ・ダウン」(1998年)など、同じようなテーマを扱う作品も多いが、これほど心理的な描写のみで引っ張る映画もそうはないだろう。
何故犯人はレックスの前に現れたのか?何故レックスは睡眠薬入りのコーヒーを危険と感じつつ飲み干したのか?そんな疑問の答えは映画の中に散りばめられている。

1993年ハリウッドに招かれ自らリメイク作品として「失踪」を監督するが、強いリクエストにより変更させられたそのクライマックスには、オリジナル版ほどの衝撃は微塵もない。
そして、その2年後の1995年、デビット・フィンチャー監督「セブン」の不条理なラストがハリウッドに一大センセーションを巻き起こすのだが、それは「THE VANISHING」のラストから実は7年も後の事だった。
まさに早過ぎた傑作だったのである。(2002.7.22)

失踪(リメイク版) 国内盤DVD
失踪(1993年/リメイク版)
国内盤DVD
2002年6月28日

スクイーズ
・英語字幕/日本語吹替
・オリジナル劇場予告編
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